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仕込み・下処理

魚の下処理を外注できる?飲食店が仕込みを外注する5つの手順

魚料理を提供する飲食店にとって、ウロコ取りや内臓処理、三枚おろしなどの仕込みは欠かせない作業です。しかし、営業前の限られた時間に、すべての下処理を行うのは負担が大きいのではないでしょうか。

魚の下処理は、水産加工会社や加工に対応した卸売業者などへ外注できます。ウロコ取りや内臓処理だけでなく、フィレ加工やポーション加工まで依頼できる場合があります。

外注を始める際は、①負担作業の洗い出し、②加工規格の決定、③依頼先探し、④サンプル確認、⑤発注・納品ルールの設定、という5つの手順で進めると分かりやすくなります。

魚の下処理はどこまで外注できる?

魚の下処理には、一次加工から料理に合わせた切り分けまで、さまざまな工程があります。

加工形態主な加工内容
ウロコ取り・内臓処理指定した下処理工程のみを行う
セミドレスエラ・内臓などを除去
ドレス頭・エラ・内臓などを除去
フィレ三枚おろしなどで中骨から身を分ける
骨取りフィレ指定した範囲の骨を除去
ポーション指定の重量や形状に切り分ける

※加工名称や処理範囲は事業者によって異なります。ウロコ・皮・腹骨・小骨などの有無は個別に確認してください。

鮮魚を使う店舗ならウロコ取りや内臓処理までを外注し、最終的な切り付けは料理人が行う方法があります。一方、一定重量の焼き魚を提供する店舗では、ポーション加工まで依頼すると厨房作業を減らせる場合があります。どの工程を外注し、どの工程を厨房に残すかを決めましょう。

魚の下処理はどこに外注できる?

相談先主な特徴
水産加工会社専用設備を使った下処理や規格加工に対応する場合がある
水産卸売業者魚の仕入れと加工をまとめて相談できる場合がある
加工対応の仕入れ先魚種・加工状態・納品条件を一括で相談できる場合がある

対応魚種、加工工程、最低注文量、納品エリアは事業者によって異なります。特に小規模店では、少量注文への対応、納品頻度、相談のしやすさを確認しましょう。

飲食店が魚の下処理を外注する5つの手順

1.厨房で負担になっている作業を洗い出す

ウロコ取り、エラ・内臓処理、三枚おろし、腹骨・小骨の処理、皮引き、切り付けなどを整理します。時間がかかる作業や仕上がりに差が出やすい作業を把握しましょう。すべてを外注する必要はありません。まず負担の大きい工程を一つ選ぶと、導入効果を確認しやすくなります。

2.魚種・サイズ・加工状態を決める

魚種と原魚サイズ、頭・ウロコ・内臓・皮の有無、骨取り範囲、切り身の重量・厚み・形状、冷蔵・冷凍、包装方法と袋当たり数量を決めます。「真鯛のフィレ」だけでは皮や腹骨の扱いが分かりません。松笠揚げ用の甘鯛のようにウロコを残す料理もあるため、加工後の写真や見本を共有すると確実です。

3.加工に対応した仕入れ先を探す

確認項目内容
対応魚種・加工範囲希望する魚と処理工程に対応できるか
最低注文量少量から注文できるか
加工費・送料仕入価格以外に必要な費用
納品エリア・頻度店舗への配送と希望曜日に対応できるか
品質管理加工・包装・保管の条件を確認できるか

価格だけでなく、加工規格の相談に応じてもらえるか、継続利用できるかも重要です。

4.サンプルで仕上がりを確認する

初回は可能であれば少量サンプルを取り寄せ、加工状態、切り身の重量や厚み、骨取り範囲、解凍後のドリップや身崩れ、加熱後の仕上がり、厨房作業の削減効果を確認します。生食用では用途に適した原料・加工・衛生管理条件の確認が別途必要です。骨取り済みでも骨が残る場合があるため、店舗側で必要な最終確認を行いましょう。修正点は写真とともに伝えると共有しやすくなります。

5.発注・納品のルールを決める

発注方法と締切、最低注文量、納品曜日、数量変更・キャンセル期限、欠品時の連絡方法、代替魚種の承認方法、商品不良時の対応を決めます。代替品は魚種・サイズ・価格を確認し、店舗が了承してから変更する運用が望ましいでしょう。

加工指示書を作ると外注がスムーズになる

加工指示書は外注先との認識の違いを減らします。難しい書類は不要で、必要な条件を一覧にすれば十分です。

項目指示例
魚種真鯛
原料サイズ1尾800〜1,000g
加工状態三枚おろし・皮付き
ウロコ除去
骨取り腹骨除去、小骨は別途協議
包装フィレごとに真空包装
納品状態冷凍
使用用途加熱調理用

※加工指示の仮定例です。実際の対応は依頼先に確認してください。「骨取り済み」は除去する骨と範囲を明確にし、真空包装や冷凍加工の可否も確認します。

仕入れ先への依頼文例

真鯛の下処理・フィレ加工について相談したく、ご連絡しました。原魚800〜1,000g程度で、三枚おろし・皮付き・ウロコ除去・腹骨除去を検討しています。フィレごとの真空包装と冷凍納品は可能でしょうか。加工範囲、最低注文量、加工費、送料、納期を教えてください。まずはサンプルで加工状態と調理後の仕上がりを確認したいと考えています。

魚の下処理を外注する際の3つの注意点

1.加工費だけで判断しない

仕入価格、加工費、送料、使用可能重量と歩留まり、厨房に残る仕込み作業を合わせて比較しましょう。加工費が加わっても、厨房作業や廃棄物処理の負担を減らせる場合があります。詳しくは関連記事「丸魚と下処理済みの魚はどちらが得?仕入れ価格・歩留まり・人件費・廃棄で比較」をご覧ください。

2.納品時の品質管理を省略しない

下処理済みでも店舗での検品と適切な保管が必要です。魚種・数量・加工状態、包装、表示、冷蔵・冷凍状態、変色や異臭などを確認します。厚生労働省掲載の小規模飲食店向けHACCP手引書でも、受け入れ時の商品・数量・外観・包装・表示などの確認、可能な場合の温度確認が示されています。

3.店舗に残る仕上げ作業を確認する

解凍、検品、最終的な骨の確認、料理に合わせた切り付け、味付けや加熱調理などは店舗に残る場合があります。外注先と店舗の作業範囲を明確にしましょう。

よくある質問

Q.魚1尾からでも下処理を外注できますか?

事業者によって異なります。少量加工に対応する場合もありますが、最低注文量と加工費を確認しましょう。

Q.ウロコ取りや内臓処理だけでも依頼できますか?

対応する事業者であれば可能です。必要な工程だけを指定して相談できます。

Q.骨取りやポーション加工も依頼できますか?

対応する事業者であれば可能です。骨取り範囲や切り身重量を具体的に指定しましょう。

Q.冷凍魚の下処理も外注できますか?

対応できる場合があります。凍結前加工や適切な解凍後の加工など、用途に応じて工程を確認します。

Q.下処理を外注すると仕入価格は高くなりますか?

加工費が加わる場合があります。ただし歩留まりや仕込み時間も変わるため、使用可能部分の原価と作業負担を合わせて比較しましょう。

まとめ|魚の下処理は必要な工程から外注しよう

魚の下処理は、ウロコ取りや内臓処理からフィレ・ポーション加工まで外注できる場合があります。①負担作業の洗い出し、②加工規格の決定、③依頼先探し、④サンプル確認、⑤発注・納品ルールの設定の順で進めましょう。加工規格を共有し、サンプルで仕上がりを確認したうえで、無理のない運用を決めることが大切です。

魚の仕入れを、もっとシンプルに。

ファインアトラスでは、産地での仕入れから加工、急速冷凍、冷凍輸送、解凍、仕込み、配送までをつなぐ、新しい仕入れの仕組みづくりを進めています。必要な魚を、必要な分だけ。料理人が使いやすい状態で届けることを目指し、厨房の仕込み負担を減らして魚料理に取り組みやすい環境づくりを進めていきます。

出典・参考資料